Netflix新シリーズ, Indian Matchmakingから考えるインドの結婚習慣
なますて~Mindyです!
昨日の夜、久々に面白い番組をNetflixで見つけ、思わず一気見してしまいました!Indian Matchmakingという番組で、インド人の結婚相手探しの様子を追っています。お見合い番組とはいえ、下世話な感じはなく、爽やかで面白かったです♪8時間ぶっ通しで見たので、今とってもグロッギーです。正しい連休の始まり方ですね笑
さて、私の夫はインド人なのですが、私たちは普通に恋愛結婚をしました。しかし、インドでは今でもお見合い結婚(arranged marriage)が主流なんだとか。
日本人からしたら、インドの結婚習慣なんて未知ですよね。ですから、身近な人がインド人と結婚するのなら、Indian Matchmakingと私のブログを読んでほしい!と思います笑
ということで今日は、井戸端会議的にIndian Matchmakingを見た感想と、インドの結婚の習慣について思うことをつらつらと書いていきたいと思います!
Indian Matchmakingについて
Indian Matchmakingは、Netflixで最近始まった新シリーズ。日本語吹き替えと字幕両方あります!
やり手の仲人さんがインド人の結婚相手探しを手伝う、リアリティショーです。インドのみならず、アメリカ在住のインド人やインド系アメリカ人の結婚相手探しを手伝っています。
英語ですが、公式の予告ビデオはこちら。
シーズン1では、計男女5人ずつくらいがパートナー探しをします。美男美女が多くてオシャレな雰囲気でした。
お見合い番組とはいえ下世話な感じはなく、心の機微にフォーカスを当てていて面白かったです。
まだ結婚したいか分からない息子(25)に、母親がゴリゴリとあり得ないくらいプレッシャーをかけたり色々とあり、、、あっという間に見終わってしまいました!
ただ、出演している人にやや偏りがある気がしました。男性も女性も、多くがエリートでリッチな方々でした。
私の知っているインドの結婚習慣
さて、本編の感想の前に、私の知っているインドの結婚事情について書いていきたいと思います。多少偏っているかもしれませんが、インド人の夫から、インドの結婚の習慣について色々聞いたことを書いていきたいと思います。
今でもお見合い結婚が断然主流
夫の体感的には、未だに7割はお見合い結婚をしているそうで、恋愛結婚はまだまだ少数派です。
そもそもインドでは、結婚前の男女交際はタブーだったそうです。ですから、夫のローカル言語、テルグ語には「彼氏」や「彼女」に当たる単語が無いとか。なぜなら恋人という概念が無かったから。
もちろん最近では様子はかなり変わってきているようで、特に都会では、普通に付き合っていたり、同棲しているカップルもいるそうです。
ですが、今でも建前上は結婚前の男女交際はタブー。恋人と別れる理由が「結婚するから」は、あるあるなんだそう。日本人からしたら驚愕の理由ですよね。
実際夫の知り合いには、学生時代から長年付き合っていた彼氏をあっさり捨て、アメリカに住んでいるインド人と結婚した人がいるそうです。インドの女の子はアメリカなど外国に住んでいるインド人を「好物件」とみているそうです。結婚すれは自分も楽にビザが取れますからね。
なぜお見合い結婚が主流なのか
お見合い結婚が主流なのは、「結婚は家族の問題で、個人の問題ではない」から。結婚は家同士の結婚という考え方もありますが、インドではその考えがより強いのかなと思います。
ダウリー
結婚が個人の問題ではない1番の理由は、ダウリー(dowry)という習慣があるからです。
ダウリーとは結婚持参金のこと。ヒンドゥー教では、女性側から男性側に持参金を贈与することになっています。主に、高額な結婚式の費用と、結婚式で身に着ける大量の金などの装飾品などに使われるそうです。それに加えて、家や車も贈与する場合があるそうです。
ダウリーはもともとヒンドゥー教の習慣でしたが、今ではインドのイスラム教徒も採用しているんだとか。
ダウリーが生まれた背景はいろいろな説がありますが、根底にある考え方は、「女は家族の負担。養わなければならない存在」。自分の娘という「負担」が嫁ぎ先に移るから、「どうぞよろしく」という意味がダウリーにはこもっているそう。
実際、「ダウリーを十分に払わないと、自分の娘が嫁ぎ先で大事にしてもらえないかもしれない」という不安が、ダウリーを払う動機になっているそうな。
ダウリーの問題は、その金額が莫大なこと。ミドルクラスのダウリーの平均は150万円。そしてミドルクラスの平均年収も150万円。インドは格差社会ですし、各ケースにより様々なので平均値を出すことに意味があるか分かりませんが、参考までに。年収を支払うのかと思うと、凄いですね。アメリカやカナダの永住権を持っている人と結婚する場合は、1500万円くらい払うそうですよ。巨額ですね。
とはいえ、持参金の習慣は世界中にありますし、日本にもあったようですね。結納金とか桐のタンスとか。。?しかし、インドのダウリーよりは少額なのかなと思います。
余談ですが、私と夫は女が男の家に貰われるという「嫁ぐ」という概念自体が嫌いですし、結婚式もダウリーもなしでした。
カースト
いわずもがな、カースト制度はヒンドゥー教による身分制度です。
インドには未だにカースト制度が根強く残っていて、結婚相手を探すときは自分と同じカーストの人を探します。
しかも、実はカーストの下位にサブカーストというものがあり、実はとても細かく分けられるんです。ですから、同じグループに属す相手を探すのは結構大変。
カーストは建前上はタブーなので、相手のカーストを聞くのは失礼にあたります。ですから、同じカーストの相手を探すには、お見合いをした方が効率が良いんでしょうね。
マッチングサービス(Matrimony sites)が主流
インドでは今でも仲人さん(Matchmaker)や親戚のツテを使いますし、婚活パーティー(親同伴)もあるそうです。
しかし、現代のインドでは圧倒的にマッチングサービスが主流です。インドに住んでいた時は、テレビでよくマッチングサービスのCMを見ました。儲かるんでしょうねぇ。とても大きなビジネスであることは間違いないです。
使い方は、マッチングサイトに登録し、自分の顔写真・カースト・年収・職業・年齢・身長などを記入します。気に入った人にコンタクトし、顔合わせを打診します。もちろん、親と一緒に選びます。
昔よりは自由になった
インドの結婚は上記の様に保守的で自由がありませんでしたが、最近は変わってきています。
恋愛結婚を許す家庭も多くなりました。恋愛結婚の場合、宗教やカーストが異なることがありますが、それでも許す親が多くなってきました。
お見合い結婚も、近代化してきています。昔は、結婚当日まで新郎新婦が顔を合わせないこともあったようです。今では、親の意見に従うというより、当事者の意向も尊重されている印象です。お見合いで出会って気に入った相手とは、結婚を決めるまでに電話したり、何回か会ったりするようです。
とはいえ、会ってから2-3か月のうちに結婚式を終わらせようとする親が多いのも事実。かなりのスピード感ですね。
相性は星占いでチェック
インドの結婚では、星占いはかなり大事です。結婚には相性が大事。ということで、占い師を訪ねて相性を確認します。占い師は、PCを使って2人の生まれた時の星の配置をチェックします。それで相性が分かるのだとか。
結婚の日取りなども星占いで決めます。私たちは式はしなかったのですが、婚姻届けを提出する日取りは義両親が占い師に決めてもらっていました。笑
余談ですが、私と夫の相性は星占いで見てもらっていません。義両親はひそかに調べているかもしれませんが。反対されていないので、最悪ではないのかな?笑
顔合わせは女の子の家で
お見合いは、基本的に男性家族が女性の家を訪ねます。家にはお見合い相手と両親だけでなく、兄弟姉妹、祖父母、更には叔父叔母まで待ち受けています。男性側も両親と兄弟姉妹、ときには親戚を連れ行きます。
お見合いの席では、家族間で、職業や経済的な話など色々と話すらしいです。新婦候補は綺麗に着飾って、男性家族にお茶をサーブするそうです。最後に、当事者が2人きりになって20分くらい会話をします。
つまり、インドのお見合いは、たった20分話しただけで結婚するか見極めるという、とっても難しいプロセスなんです!結局、当事者の波長が合うかがネックになるので、100人以上とお見合いする人も珍しくないそうです。100人も会ったら訳が分からなくなりそうですよね。。。
ちなみに、女性が先にが男性宅を訪れるのはバッドラックらしいです。
結婚平均年齢は
30年前は、女性は17歳前後という若さで結婚していました。しかし低年齢での結婚が問題になり、現在は法律により18歳以上でないと結婚できません。
2019年のインドの結婚平均年齢は、田舎で21.7歳、都会で23.1歳です。男女合わせた平均値なので、実際は、男性は平均値より高め、女性は低めだと考えられます。
夫によると、都会なら女性は大学在学中に婚活を始め、25歳までには結婚すべきという雰囲気があるそうです。一方男性は、女性が男性に多くの収入を求めるので、収入が上がらないと結婚できません。ということで、男性は30歳くらいが目安だそうです。
結婚の順番にもルールがある
インドでは、兄弟が結婚する順番にもルールがあります。
女の子がいる場合は、女の子が先に結婚します。ダウリーを支払う必要があるため、予算が残っているうちにまずは女の子から、という理由だそうです。兄と妹の歳が大きく離れている場合は例外で、兄が先に結婚します。
後は単純に、年齢の高い順です。
ただ最近では、恋愛結婚も受け入れられフレキシブルになってきており、順番が前後することもあります。
ただ、こんなルールがあると「兄弟が歳を取る前に早く相手を決めなきゃ!」というプレッシャーがあって、良くないなぁと思います。また、「順番待ちで自分がどんどん年を取る、市場価値が下がる!」とヤキモキするのもまた、良くないなぁと思います。
日本にも昔は、こんなルールはあったのでしょうか。
Indian Matchmakingを見て思った事
単純に、そうなんだ~と思って面白かった。
以上の様に、夫から色々とインドの婚活事情を聞いましたが、実際のお見合いを見るのは初めて。。。単純に、本当にそうなんだ~と思って面白かったです。
ビジネスライクではなく、心の機微が見える
夫の話を聞いていると、インドのお見合いは親が主体で、なんとなくドライなものだと思っていました。
でも実際は、お見合い相手を選ぶ際にワクワクどきどきしたり、縁談がまとまらなくて落ち込んだりして、恋愛的側面もゼロではないんだなと思いました。やっぱり、お見合いにもトキメキはありますよね。
占星術を活用
上述の通り、インドでは結婚相手を決める際には、星占いをします。しかし、本当に星占いを使っている様子をみて、本当なんだ~と思いました。
星占いだけでなく、人相占いの占い師も出てきました。スマホで男女の写真を見て、この人の性格はどうで、この人との相性は良いとか言うのですが。。。これは占いというよりは年の功なのでは~と思いました。適当に言っている感じがして(失礼)、これで商売になるんだ~と思ってしまいました。
保守的な親がものすごく介入する
母親の子供の結婚を心配しすぎて、血圧が上がるなんて一幕もありました。「子供の結婚は親の責任」だそうです。
アメリカ在住だと開放的
インド系アメリカ人について私はほとんど知識がありませんが、やはりインド本国よりも自由で開放的なんだな~と思いました。それと同時に、同じルーツの相手を伴侶に望む人もいるのだなぁと思いました。
面白かったけれど、ちょっと待てよ、と思うこと
ダウリーについて全く触れていない。
Indian Matchmakingではダウリーのダの字も出てきません。もしかしたら、アメリカ在住であれば、ダウリーがないケースも多いのかもしれませんね。インドではダウリーは1961年に禁止され違法ですから、仮にもしダウリーがあったとしても放送できないのでしょうね。
インドでは残念ながら、ダウリーは現在でもあります。それも、ダウリーを取らない家は1%あるのか?というくらい、当たり前に存在しています。
「ダウリーなんて間違っている」と考える男性がダウリーを受け取らないと言えば、お見合い相手から怪しまれます。この家族には何か裏があるのではないかと。それくらい、ダウリーはいまだに普通の事なんです。
もっと残念なことに、恋愛結婚ですら、ダウリーのやり取りは普通にあります。
インドにはダウリー廃絶を訴えるNPOもあるのですが、あまり流行っていないようです。NPO主催の婚活パーティーに、誰も来ない、なんてこともあるんだとか。詰まるところ結婚は儲けるチャンスであり、その機会をみな失いたくないんでしょうね。
Indian Matchmakingはエンターテインメントであり、人間的な側面にスポットライトを当てています。それはそれではとても興味深かったですが、せっかくインターナショナルなシリーズなのだから、ダウリー問題に少し触れてくれていたら良かったのにと思いました。
カーストに関してはサラッと。
カーストの問題には触れられていませんでした。この番組はエンターテインメントであって、問題提起が目的ではないからしょうがないですが、ちょっと物足りなさを感じます。
最終的にキャリアを選んだ女の子がかっこいいなぁと思った。
Indian Matchmakingにはエリートが多く出ていて、女性のビジネスオーナーも何人かいました。そのうちの1人は悩んだ末に、キャリアを選びました。「結婚しないという選択肢もある」ことを世の中に示すのは、大切なこと。色々な人がいて、色々な生き方がある。なんだかかっこいいなぁと思いました。
最後に
インドの婚活ドキュメンタリーということで、お金とカーストの話でドロドロなのかと思いきや、感情面にフォーカスが当たっていて面白かったです。
やっぱり何事も、カチッとはまる(click)感覚が大事だなぁと思いました。仕事でも恋愛でも、無理に何かを変えようと動いても、もがくだけで上手くいかないですよね~。自分にしっくりくるものを待つ、忍耐強く探すっていう姿勢が大事なんだなと思いました。流れるときは自然とする~っと流れに乗れるんですよね。とにかく、自分がハッピーであることを大切に、日々を丁寧に生きていくのが良いのかなと思いました。
現代は昔よりも勉強することが多いし、不確かな世の中で自立できるよう努力が必要です。ですから、生物学的な結婚適齢期までに精神的・経済的に結婚できる状態になるのは、とても難しいこと。複雑な時代になったなと思います。きっといつの時代もその時代なりの難しさはあるのでしょうけれど。。。
とりとめもなくなったので、今日はここまで。あぁグロッギー。なますて~。