インド人との国際結婚の手続き:インドで結婚する場合①

国際結婚が珍しくなくなってきている昨今ですが、やはり国際結婚の手続きは大変です。私も、インド人の夫と結婚する際は、手続きはどうしたらいいのか、どんな書類を集めたらいいのか把握するのに、大変な労力を費やしました。

もちろん色々な方のブログを参考にさせていただきましたし、市役所には何度も電話しました。在印日本大使館にメールしましたし、在日インド大使館を訪ねたりもしました。それでも結局良く分からず、不安を抱えたままインドへ渡りました。

幸い、あっさりと何の問題もなく、2019年に無事結婚できました。そこで、私もどなたかのお役に立てたらいいなと思い、私が経験したことをここに書いていきたいと思います。

インドは法律が頻繁に変わりますし、州や役人さんによっても対応が異なる場合もありますので、ご注意ください。あくまでも私個人の経験談として、参考程度に読んでいただければ幸いです。

国際結婚の手続きは2通り

国際結婚の場合、どちらか一方の国で法的に結婚を成立させ、それをもう一方の国に報告する、という形をとります。従って、

  1. 日本で結婚して、相手の国に結婚を報告する。
  2. 相手の国で結婚して、日本に結婚の報告をする。

の2通りがあります。

両者が日本に住んでいる場合は1、両者がインドに住んでいる場合は2を選択すると良いと思います。日本で手続きする場合は面接があるそうなので、お相手が日本にいないと難しいのかなと思います。また、インドで手続きする場合は、日本人のあなたがインドに最低1か月住まないと結婚の申請が出来ません。

まずは、自分たちがどちらの方法をとった方が良いのか、良く調べてみてください。

私たちの場合、私が訳あって無職、かつ夫がインドで働いていたので、2の方法を選びました。

1の方法については、以下のブログが非常に分かりやすいので、ぜひ読んでみてください!インドで結婚手続きをした私にも、役所への問い合わせのしかたなどとても参考になり、大変有難かったです。

https://ameblo.jp/ankitandhazuki/entry-12447176893.html

https://ameblo.jp/ankitandhazuki/entry-12447332758.html

https://ameblo.jp/ankitandhazuki/entry-12447674082.html

では、ここからは、インドで結婚手続きする方法を説明します。

インドで結婚する場合の概要

手続きの大まかな流れ

まずは、大まかな流れを説明します。ここで説明するのは、

インドで特別婚姻法*に基づいて結婚する場合です。

1.日本で必要な書類を集める。

2.インドへ渡航する。(観光ビザ)

3.1か月間インドに居住する。

4.Marriage Officeに書類を提出する。

5.1か月間Objectionがないか、待機。

6.Marriage Officeで承認を得る。→ 晴れて婚姻手続き終了。

7.(そのままインドに住み続けるならVisa X2の申請をする。)

8.日本側に婚姻の報告をする。→ 晴れて全手続き終了。

7は、結婚の手続きではありませんが、必要な手続きなのでリストに加えました。

*インドでは宗教に基づく婚姻法がありますが、国際結婚の場合は特別婚姻法(Special Marriage Act)になると思われます。

結婚手続きにかかる時間

インドで結婚手続きをする場合、日本人は最低1か月間インドに居住しなければなりません。そこで、結婚の手続きには、書類集めに1か月、インド居住に1か月、結婚に反対する者が無いかを待つ1か月、が必要です。従って、問題なくスムーズにいっても最低3か月はかかります。色々調べる時間もあるでしょうから、4か月くらいは見ておいた方がと思います。

結婚手続きにかかる費用

インドで結婚手続きをする場合、日本で用意する書類にお金がかかります。

インドでは、申請時に数十ルピー支払うだけです。

日本人同士の結婚手続きにはお金がかからないそうです。羨ましいですね。

*結婚式をされる方は、当たり前ですが更にかかります。インドではダウリーがまだまだ普通に存在していますから、国際結婚とはいえ、女性側が結婚式代を持つことを期待されるかも知れません。規模によりますが数百万円かかるそうです。とても大事なことですので、結婚前にしっかりと相手・相手家族に確認し話し合っておきましょう。

日本で準備する書類

インドでは州によって必要な書類が異なる場合があります。ここでは、私の経験したテランガナ州の手続きについてシェアしたいと思います。

【重要】書類を受理するのはあくまでも相手国なので、書類を提出するMarriage Officeに必要書類を問い合わせて下さい。

上記は日本の役所から言われたことです。全くその通りだと思いますが、夫がインドのMarriage Officeに聞いたところ、国際結婚を扱ったことが無いから分からないと言われてしまいました。困って在日インド大使館まで聞きに行ったところ、州によって違うし、私たちの担当ではないから分からないと言われてしまいました。

。。。もうとにかく、最善を尽くしましょう!そして、ダメだったら再チャレンジするくらいの気持でいた方が楽かも知れません。

日本で準備する書類のリスト

以下の書類が手続きに必要です。

  1. 戸籍謄本(原本+アポスティーユ付き英訳)
  2. 婚姻要件具備証明書(原本+アポスティーユ付き英訳)
  3. パスポート
  4. 証明写真(インドで撮った方が安いかも)
  5. その他、Marriage Officeが要求する書類

戸籍謄本

本来は出生証明書を提出するのですが、日本には出生証明書はありません。そこで、戸籍謄本を出生証明書の代わりに提出します。

提出の際に、戸籍謄本があなたの家族やあなたの個人情報をまとめた公的な書類であり、出生証明書の代わりになることを、お相手に口頭で説明してもらってください。

戸籍謄本の英語訳も必要です。私は自分で英訳しました。英訳とは別に、自分が正しく英訳したということを宣言するDECLARATION(宣言書)も作成します。戸籍謄本原本・英訳・宣言書の3点を最寄りの公証役場へ持って行き、公証人の認証を取得します。なお、東京・神奈川・大阪在住の方は公証役場でアポスティーユも取得できます。

婚姻要件具備証明書

婚姻要件具備証明書とは、「自分が独身で成人しており結婚可能であること」を証明する書類です。

この書類、少しトリッキーです。市役所でも法務局でも発行できるのですが、国によってどちらの機関が発行したものを受理するか異なるそうです。どちらが必要か、インドのMarriage Officeに問い合わせてください。私たちの場合は、Marriage Officeがあてにならなかったので聞いても無駄だろうとということで、市役所で発行したものを持参しました。

法務局は各自治体に支局がありますので、どこにあるか調べてみてください。わざわざ遠くまで出向かなくて大丈夫ですよ。

もしあなたが外国にいる場合は、その国の日本大使館で発行してもらえるそうです。

法務局や大使館で発行するには戸籍謄本が必要です。

私は法務局と市役所両方で発行してもらったのですが、どちらも訪ねたその日に発行してもらえました。

婚姻要件具備証明書も英語訳が必要です。戸籍謄本と同じように、原本・英訳・宣言書を公証役場へ持って行き、公証人の認証とアポスティーユを取得しましょう。

日本の住所を証明する公的な書類(英語表記の物)

実はこれ、唯一インドのMarriage Officeが必要と言っていたものでした。戸籍謄本に本籍地の記載があるよー(必ずしも本籍地=住所ではないけれどもこれでいけるんじゃ)、と伝えたのですが、英語表記の原本じゃなくちゃダメと言われました。

そんなもの無いです~。

無いのか?運転免許証とかパスポートとか?

いや、運転免許証は日本語です~。パスポートには住所が無いです。。。

こんなやり取りを役所でしました。

もはやこれまで、インドといえば賄賂!賄賂を要求されるのか!!と思わず興奮したのですが、、、

じゃあ、日本大使館に連絡して、住所が正しいか確認しておくね。

この一言で終わりました。ほっ。事務手数料も発生しませんでした。良かった良かった。

アポスティーユ(Apostille) とは

アポスティーユとは、外務省が”この書類は公的に正しいものです”と証明する付箋のことです。英語訳は個人が作成した書類(私文書)なので、アポスティーユが必要です。インドはハーグ条約締結国なので公印確認は必要なく、アポスティーユだけ取得すればOKです。

インドの役所の人がアポスティーユを知らず公印確認を要求した場合は、アポスティーユが何なのか説明する必要は出てくるかと思います。安全のため公印確認をとる方もいるそうですが、私の場合はアポスティーユで問題ありませんでした。

詳しくは外務省のページを参照してください。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000548.html

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/page22_000607.html

ちょっと難しい話なので、最寄りの公証役場に電話をして、不明点があれば質問してください。国際結婚をするんだけど~といえば、必要なことを教えてくれると思います。

東京・神奈川・大阪にお住まいの方は、ワンストップサービスで公証人の認証とアポスティーユを公証役場で一度に取得できます。

手続きには印鑑と運転免許証など本人確認できるものが必要だったと思います。公証役場に電話をして、持ち物を確認してください。予約が必要で、混んでいるとしばらく待たされる場合もあるかと思います。渡航前に余裕をもって書類を準備してください。

なお、公証役場では英語訳が正しいかはチェックしてくれません。英語に自信が無い場合は外注した方が安心かも知れません。

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。。。。と、ここまで色々書きましたが、実際に書類を提出してみると、私が用意した書類はちらちらと最低限必要そうなところに目を通すだけで、正直よく見てない(?!)という感じでした。魂を込めて全力で(笑)準備したので拍子抜けでした。不備があってやり直しとか、賄賂を要求されることなどが無かったので、これで良かったのかも知れませんが。。

注】同じテランガナ州でも、Marriage Officeによって必要書類が異なるかも知れません。対応してくれる役人によっても違うかもしれません。ですから、必ず自分たちの行くMarriage Officeに必要書類を問い合わせてくださいね!!

インド人が用意する書類

インド人が準備する書類は下記のウェブサイトを参考になさってください。情報がまとまっていてとても分かりやすいです。

https://samurai-law.com/marriage/sub01_08/sub01_08_india/

ちなみに、下記の英語のウェブサイトには、「外国人がインドに1か月間居住したこと」の警察による証明が必要と書いてありますが、私たちの場合は口頭の説明で済んだような気がします。(Visa Xを申請した際には、警察官が自宅に来て面接をしました。)詳しくは、インドのMarriage Officeに聞いてみてください。

https://www.tripsavvy.com/legal-requirements-to-get-married-in-india-1539305

長くなったので、続きは以下の記事に書きました。